【起立性調節障害(OD)】思春期に起こる眩暈(めまい)・倦怠感・疲労感
起立性調節障害(OD)は小学校高学年から高校生くらいまでに起こる自律神経系の症状です。
小学生では約5%、中学生や高校生では約10%の方が起立性調節障害に悩まされていると言われています。
男女比は1:2で比較的女子に多くみられる症状です。
主な症状
● 起床が困難
・起きられない
・身体が怠く布団から出られない
・身体が動かない
● 眩暈・立ちくらみ
・立ち上がると目の前が暗くなる
・入浴後にふらつく
● 倦怠感・疲労感
・身体が怠い
・何もしていないのに疲れる
・午後から夜は比較的良くなる
● 食欲の低下
・食べたくない(特に朝食)
・食べると不快感が出る
● 動悸・息切れ
・立ち上がっただけなのに動悸がする
・歩行程度の運動でも息切れが起こる
● 頭痛
・頭痛が頻繁に起こる
・午後になると比較的治まってくる
● イライラ・集中力低下
・一日中イライラする
・勉強や部活に集中できない
不眠になるケースも多くみられます。
起立性調節障害は起床時から午前中にかけて症状が強くあらわれる傾向があり、午後から夜にかけて症状が落ち着いてきます。
症状が落ち着くと日中に動いていなかった分、夜間に活動的になってしまい遅い時間までスマートフォンを操作したり夜通しゲームに夢中になってしまうといった「昼夜逆転」になってしまう場合もあります。
このような生活リズムの乱れが更に症状を悪化させてしまうのです。
認知度や理解度が低いことから、まわりから「怠けている」「やる気がない」と誤解されてしまうことも特徴の一つです。

原因
ストレスからくる自律神経の乱れが大きな原因です。
友人や先生との人間関係や勉強や部活動での伸び悩み、テストや受験のプレッシャーなどからくる大きなストレスが自律神経のバランスを崩して症状があらわれます。
思春期の悩みはとても重大なストレスです。
思春期というデリケートな時期は深く考え込んでしまったり、まわりを敏感に気にしたりする時期であり、相当なストレスを感じている方も少なくありません。
思春期に入ると家族になかなか相談できずにいる方もたくさんいらっしゃいます。
悩みがなかなか拭えないことで不安が不安を招き、更に大きなストレスを感じることになるのです。
また身体の成長に対して自律神経の発達が追いつかないことも原因の一つです。
自律神経は交感神経(アクセル)と副交感神経(ブレーキ)で成り立っています。
基本的には、活動する日中は交感神経が優位に働き、夜間は副交感神経が優位に働いていますが、自律神経の未発達によって交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできないことで「起きられない」「眠れない」といった昼夜逆転現象が起こりやすくなるのです。

大人でも発症する
起立性調節障害は思春期を迎えている10代前半から半ばの方に多くあらわれる症状ですが、10代後半から成人を迎えた方にも発症するケースがあります。
やはりストレスによる自律神経の乱れが大きな原因です。
高校卒業後の新生活や社会人となっての環境の変化、職場の異動や転職などのタイミングで起こりやすく「新しい環境に馴染めない」「楽しめていた生活が一変した」「自分のスキルを痛感した」などといったギャップからストレスを感じて体調不良となる場合もあります。
思春期に起立性調節障害を発症している方も同様に言えることですが「真面目」「気を遣う」「優しい」という性格の方にあらわれやすい傾向があります。

予防と対策
「運動を楽しむ」「3食きちんと食べる」「ストレスを解消する」など様々な予防法が紹介されていますが、わかっていても困難になるのが起立性調節障害です。
運動や食事、ストレス解消は自律神経を整えますので間違ってはいないのですが、難しいことを強要されたり無理に頑張ろうとすると更にストレスが溜まります。
そこで一番手軽な方法が「起床時の水分摂取」です。
起立性調節障害は「低血圧」が大きく関係しています。
副交感神経が優位に働き過ぎていることで低血圧となります。
水分摂取は交感神経を活発にする効果があり、起床時に水分を飲むことで自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
身体への負担を考えると常温の水か白湯を推奨しますが、こだわる必要はありません。
ご自身の身体やストレスを優先して「飲みたいものを飲む」という考えで良いと思います。
とは言え、糖分が多い飲み物やコーヒーの飲み過ぎは注意してください。

まとめ
無理をせず、頑張り過ぎないことが大切です。
焦りやプレッシャーからくるストレスを感じたり周囲の目が気になるかもしれませんが、起立性調節障害は決して「サボり」や「怠け」ではありません。
身近にいる方からしっかり協力してもらい、マイペースで過ごしていく意識を高めましょう。
当院では自律神経の乱れを整える施術を行っております。
起立性調節障害や自律神経失調症でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
